三人目の幽霊 河内公彦 鈴の家米治

三人目の幽霊(さんにんめのゆうれい)
長らく不仲だった鈴の家一門と松の家一門が、それぞれの若手有望株が真打に昇進したのを機に、仲直りすることになり、如月亭という寄席で、一門の名人同士が交互にトリを務める二門会が開催されることになる。
だが、真打に昇進したばかりの両一門の落語家が、噺の途中で使用する道具をすり替えられ、高座の途中で退席してしまうという事態が2日続けて起こる。
弟子たちはそれぞれ相手の一門の仕業だと決め付け一触即発。翌日には、両名人が同じ高座に上がることになっている。松の家の名人・葉光から解決を押し付けられた牧が謎に挑む。
鈴の家 米治(すずのや よねじ)
昨年、真打昇進を果たしたばかりの30歳。顔立ちが端整で、落語家よりも役者をやった方がいいと言われるほど男前。下戸で有名。
鈴の家 梅治(すずのや うめじ)
米治の師匠。名人。牧とは自身が駆け出しの頃からの知り合い。「季刊落語」の愛読者。
松の家 葉光(まつのや ばこう)
鈴の家梅治の好敵手と言われる名人。梅治との不仲は有名。42歳。
松の家 万蔵(まつのや まんぞう)
葉光の孫弟子。真打に昇進したばかり。ころころと太っていてあだ名は「饅頭」。
河内 公彦(かわち きみひこ)
月島寄席・如月亭の席亭。40過ぎ。
市原(いちはら)
如月亭の切符切りのおばさん。